Department of European Civilization

教員・研究室紹介

金沢 百枝 研究室

「見る」のはたのしい

ヨーロッパの美術について研究しています。
とくに、中世のキリスト教美術が専門で、研究調査では人里離れた修道院や小さな町の聖堂を訪ね廻ります。けれども、中世美術に限らず、「見る」ことがとにかく好きです。古代エジプトから現代まで、「見る」ことの愉しさと奥深さを、一緒に感じてみませんか?

1. 研究について

専門は、西洋美術史。とくにロマネスク期の美術を研究しています。その多くはキリスト教美術です。博士論文では、スペイン、カタルーニャ地方ジローナ大聖堂に残る「曼荼羅」のような刺繍布を扱いました。図像学という方法論を用いて、その作品をいつ、どこで、誰がなんのためにつくったのか、またどのような意味があるのかを探りました。

キリスト教美術というと、キリストや聖母マリアや聖人などが描かれた図を想像しますが、ロマネスク期の聖堂には、キリスト教の教義だけでは説明できない図像も多く見られます。例えば、【図1】のうさぎと犬の彫刻。900年近く前につくられた教会堂の一部とは思えません。聖堂美術には、ドラゴンや人魚、一角獣など幻想動物もよくみかけます。スターバックスのロゴの人魚も、じつは中世の聖堂装飾に由来しています【図2】。これらが作られた「ロマネスク」(11~12世紀頃)は、ヨーロッパ社会の曙とされる重要な時代です。こうした形象がなぜこの時代に生まれたか、南イタリアの床モザイクなどを研究することで、その一端を解明できないかと考えています。

また、新潮社・『工芸青花』のウェブページにて【キリスト教美術をたのしむ】の新約篇を連載中です。


【図1】

【図2】

2. 研究の楽しさ

ロマネスク美術の研究のたのしさは、なんといっても「旅」でしょう。ロマネスク聖堂が残るのは、昔ながらの中世の町並みが残る美しい田舎町。

人里離れた場所にも多い。山頂にある修道院まで、約1時間の登山のすえ、色鮮やかなフレスコ画を見た時の感動はひとしおです。

3. ゼミ・教育について

大学の授業では、「見ることのたのしさ」と「知ることの奥深さ」を伝えたいと思っています。講義では、ヨーロッパの伝統絵画の見方を学びます。絵を、ただ見た目でたのしむのも良いけれども、さまざまな約束事を知ることで、さらにもう一歩深くたのしむことができます。美術館で、よりいっそう楽しめます。

ゼミでは「自分で考えるたのしさ」を学びます。どうやったら説得的な論を組み立てることができるのか、発想の豊かさを養います。

金沢 百枝 教授

《専門分野》
西洋美術史 キリスト教美術 ロマネスク
《最終学歴》
東京大学大学院総合文化研究科 東京大学大学院理学系研究科
《職歴》
國學院大學、日本大学芸術学部 国際基督教大学、清泉女子大学の非常勤講師を経て現職
《所属学会》
美術史学会
西洋中世学会
地中海学会
スペイン・ラテンアメリカ美術研究会
《研究キーワード》
ロマネスク キリスト教美術
《主な論文著書》
『ロマネスク美術革命』新潮社 2015年
「フランスのロマネスク モントワール・シュル・ル・ロワールのサン・ジル聖堂 天使の舞い降りる聖堂」『工芸青花』(2)1-18、2015年
「フランスのロマネスク ゾディアックの本とサン・ブノワ・シュル・ロワール修道院」『工芸青花』(1)28-49、2014年
『ロマネスクの宇宙―ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』東京大学出版会 2008年
『イタリア古寺巡礼ミラノ→ヴェネツィア』新潮社 2010年(共著)
『イタリア古寺巡礼フィレンツェ→アッシジ』新潮社 2011年(共著)
「ノルウェーの森へ」『芸術新潮』特集 2008年12月号
「イギリス古寺巡礼」『芸術新潮』特集 2007年4月号
「古代地中海の怪物ケートスの系譜とドラゴンの誕生―ジローナの『天地創造の刺繍布』における二匹の海獣に関する一考察」『地中海学研究』誌24号 (2001年)P3~28
「カースト・コート形成史 -複製美術品の機能と役割」「真と偽のはざま-コピー・レプリカ・イミテーション」展図録 2001年P173~184
『イタリア古寺巡礼シチリア→ナポリ』新潮社 2012年(共著)
《メールアドレス・リンク》
momokanazawa★tokai.ac.jp (★は@)
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